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蜜刻に揺れて
第7章 callupme
打ち上げは素敵なビストロを貸し切って行われた。

ディレクターの知り合いらしいが、こういう業界の人は揃いも揃ってやることなす事オシャレだった。

鯛のカルパッチョは絶品でスパークリングワインがぐいぐい進んだ。

「お前、もうちょっと品良く飲めよ」

「ごめん…美味しいんだもん」

航平に窘められても、静の目は今店員が並べたブルスケッタに釘付けだった。

「お疲れ様です」

主賓がわざわざ出向いて来た事に航平と静は揃って襟を正した。

将人と浩一郎、啓介がそこに立っていた。

静は三人が来た事で他のメンバーの位置を確認する。

特に竜が何処で誰と話しているのか。

「今日は素敵な演出をありがとうございました」

「いえ、そんな、素材が良いので…」

「確かに、一番綺麗に咲いてましたからね」

くくっと笑う啓介に静は思い当たる節を思い出して肩を竦めた。

「お酒強いんだね」

「え?あ、はい…それなりに」

二杯分が一杯に並々と入ったグラスは隠す事が出来なくて、静の慌て様に啓介は笑っていた。

「あれ食べた?白ワイン飲むなら必須だよ」

「本当ですか?」

啓介に促されてブロッコリーのフリッターを口にした。

「美味しいっ!まさに白ワインに!」

満面の笑みを浮かべる静に啓介は目を細めた。
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