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蜜刻に揺れて
第7章 callupme
いつの間にかカウンター横の席を二人して陣取り、小さな丸いテーブルの上は空のグラスが面白いくらい並んでいた。

「9secondは皆さんお酒強いんですか?」

「まあねぇ、誰かと言われると…んー浩一郎か、竜か」

竜の名前が出ただけでグラスを包む手に力がこもる。

「あいつら仲良くてさ、朝まで飲んでる」

兄の様な表情で杯を傾ける啓介。

「あ、きづきさんは…その…みなさん彼女さんとかいないんですか?」

「怜二と撥春はいるよ、あとはどうかな?あ、竜はねー…」

「啓介さん」

すいっと啓介の手からグラスを引き抜く。

「おっ、話題の竜くん」

「勝手にネタにしないでよ、そろそろお開きだって、飲み直す?」

場所を提供するのはどうやら浩一郎らしい。

「静ちゃんもおいでよ」

「え?あ…いや…家に待ってますのでー…」

「カレシ?」

地雷ワードに静はそっと竜を見遣る。

ばちっと冷たい視線が静を捉えていた。

「いやー…猫です、妹の猫を預かってて、餌もあげなきゃいけないし帰ります」

「連れてこれば?」

竜の一言に啓介も便乗して、まくし立てられ結局一度帰って猫連れで参戦が決まってしまった。

しかも、道案内の竜が一緒にタクシーに乗り込んで来た。
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