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第10章 短編　緊縛10

　思わず喉の奥から「うっ」とした声が、自分でも驚くぐらいでた。

　店長の指先が、私の上半身をなぞると、舌先が、くすぐったいほどに上半身を舐め上げていく。

　腰から脇腹へと店長の舌先が淫らに怪しく揺れながら這い上がってくる。

　思わずその淫らな舌先が、嫌でも私の身体を仰け反らしていく。

　その舌先に私は狂わされていくばかりだ。私はついに初めて喘いだ。

　必死に声を押し殺そうとしても、無意識に声が押し出されていく。

　息を荒げ、身体を仰け反らすばかりの私の身体に麻縄がまた通されていく。

「もうやめて」

　身体をよじらせ、私を縛り上げようとする店長の手から逃げようとするが、さらに肌に食い込んでくる麻縄の痛さに思わず、くちびるを噛みしめるばかりだ。

　じょじょに縛り上げられていく身体が怖い。

　上半身が、まったく動かせないほどに私は縛り上げられていった。