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eyes to me~ 私を見て
第46章 波乱のミュージックスタイル②
「やだ~。そんな怖いお顔しないで下さい……
あんまりにも、あのプリキーが素敵だったから……
何故別れちゃったのかなあって」
「……」
無言になる由清に、小さな声で囁く様に言う。
「バンドって……まとめるのが大変ですものね……
私も、デビュー前はバンドで頑張ってたから分かります……」
「ふうん、そうなの」
由清は、リハーサルから目を離さずに相槌を打つ。
ポップグループの"yes・I・can"が歌っている所だ。
心地よいリズムに、組んだ指をトントンと無意識に動かしていると、西野が触れてきた。
由清は視線だけを動かす。
「何かな……?」
「ごめんなさい……とっても綺麗な指だなと思って……
ドラムの人の手って、もっとゴツいイメージがあるから……」
西野は媚びる様に甘えた声を出すが、由清は笑って受け流す。