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eyes to me~ 私を見て
第46章 波乱のミュージックスタイル②
「立花さん……?」
笑顔を凍り付かせた西野は立ち尽くす。
「ちょっと楽屋に忘れ物したから……行くよ。じゃあ……西野さんもリハーサル頑張って」
由清はくるりとターンする様に背を向けて、優雅な足取りでスタジオから出て行く。
残された西野は、桜色の艶めいた唇を強く噛んだ。
その頬は怒りに震えている。
(何よ……!私が声を掛ければ、誰も有頂天になるのに……っ)
「未菜ちゃ――ん!」
軽い調子の声がして、未菜は笑顔を作り振り返る。
「暗黒(あんこ)さん……」
"ボンバーダイアモンド"の黒塗りの暗黒が、真っ黒なマントの衣装で満面の笑みで其処に居た。
「プリキーの王子と仲良しなの?」
「ううん……ちょっとドラムの事を聞いたりしてたの。私も叩ける様になりたいし」
「お――!未菜ちゃんは本当に頑張りやだね~!
……俺もエアーじゃなくて練習しなくちゃだなあ!」
「またまた~!やらないくせに」
「アハハハ」
暗黒は白い歯を出して笑い転げた。