この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第46章 波乱のミュージックスタイル②
『久々なのに……バカ呼ばわりかよ……』
頭上から、クツクツと笑う声がすると、頭をそっと撫でられる。
心地よさにうっとりとするが、足元がグラリとして落ちそうになり、綾波に支えられる。
『気を付けろ……うっかりすると落ちるぞ』
『落ちるっ……て』
美名は、抱き合う自分達の周りの景色を見て息を呑んだ。
自分達を包むのは、薄紫と薄青の雲と霧だけ。
何もない空間で、小さなソファが浮いていて二人が乗っている。
二人の息遣いと声だけが響く世界。
『な?……言ったろ?』
呆然とする美名に優しく笑う。
その時、これは現実でなく夢の中なのだと悟った。