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eyes to me~ 私を見て
第46章 波乱のミュージックスタイル②
「いやああああああ――!」
「――美名!!」
火が点いた様な絶叫をあげると、大きくて暖かな何かが自分を包んでいた。
一瞬、安堵の感情が過るが、身体の震えは依然治まらない。
その力強い何かに必死にすがり、美名は息をした。
身体じゅうで息をしないと、そのまま何処かへ飛んでしまいそうな気がする。
頭上で真理の怒気を孕んだ声がする。
いつの間に起きてきたのだろうか。
「美名に何をしたんだよ――!こんなになっちまったじゃねえか!」
「……真実を話したのよ」
「おい!ペコさんとかよ!今このタイミングで言う事なのかよ!
綾波だってまだ目を醒まさないし……こんな時に――!」
ペコの落ち着いた低い声と、真理の激情に任せた怒鳴り声は対称的だった。