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eyes to me~ 私を見て
第47章 波乱のミュージックスタイル③
「未菜ちゃ――ん!待ってよ――!」
暗黒が西野の後ろを追い掛けて行く。
「全く……暗黒は、ああいうタイプが好きなんです……
止めとけよ、ていつも俺は言うんですけどね……美名ちゃん、大丈夫?」
髑髏川は走り去る暗黒を呆れて見ていたが、まだ震えている美名に声をかけた。
「プリキーさん?始めてくれませんか?」
「――はい!すいません今!」
スタッフの声に、志村が返事をする。
真理と由清もスタンバイしながら、美名を心配して見ていた。
美名は目を閉じて深呼吸を何回かすると、志村の胸から離れる。
「美名ちゃん……大丈夫よ……綾波くんはきっと大丈夫……」
志村の大きな掌が髪を撫でた。
「……はい……」
美名は、少し青ざめて居たが笑顔で頷くと、ギターを肩に下げてスタンドマイクの場所まで行き、真っ直ぐに顔を上げて凛とした声を出した。
「お待たせしてすいませんでした!始めて下さい!」