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eyes to me~ 私を見て
第47章 波乱のミュージックスタイル③
最後のフレーズを弾ききった時、美名はギターを抱きしめたままで座り込んだ。
真理と由清が駆け寄る。
「美名――!どうしたんだよ」
真理が腕を揺さぶるが、美名は真っ白い顔をして震えていた。
声を発しようと口を動かすが、ヒューヒューと虚しく息が漏れるだけ。
美名は、自分の喉元を両手で触れて呆然と宙を見つめた。
(声が…………声が出ない――!)
不穏なざわめきの中で、物影から西野が薄く笑って美名を見つめていた。
「いい気味だわ……そのまま潰れてしまえばいいのよ……ウフフフ……ハハハ」