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eyes to me~ 私を見て
第47章 波乱のミュージックスタイル③
「口パク……かしら……トークを無しにしてもらって……」
志村が大きく溜め息を吐いた。
「そんな……」
堺が両手を組む力を込める。
「でも、声が出ない状態ではやむを得ないわよね……ヤモリさんに相談してくるわ」
志村は椅子から立ち上がると休憩室から出て行く。
残された二人は壁の時計を睨んだ。
「本番まで……2時間ね」
「やっぱり……綾波さんの事がかなりショックなんですよね……」
堺が声を落とす。
パーティで、自分が異変に気づいていれば、と考えずには居られなかった。
ペコの手が肩を叩いてくる。
「堺ちゃんが今考えてる事、よ――く分かるわよ。
それについては皆が責任を感じてる……私も含めてね……
それに私が色んな事実をカミングアウトしちゃったから……
美名ちゃんには、やっぱりきつかったかしら……」