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eyes to me~ 私を見て
第47章 波乱のミュージックスタイル③
堺がペコを睨んだ。
「……そりゃあそうですよ……天賦の才があるとは言っても、美名さんは普通の女の子なんです……もし、このまま立ち直れなくなったら……」
「ああ……堺ちゃんがそんな怖い顔をするなんて、年に一度位よね。
ハイハイ。私も悪かったわよ……
でも、いずれ本人の耳に入る事だしね。
……にしても西野未菜……胸くそ悪い小娘ね……あの娘、気に入らない者には色んな手を使って陥れようとするわよ……これから何をしてくるか……」
ペコは空になった紙コップをくしゃりと手の中で潰す。
「……大室さんの次は、西野未菜……か」
堺はこめかみを押さえる。
「ねえ……堺ちゃん。ちょっと、美名ちゃんの為にひと仕事しましょうか」
ペコの眼鏡の中の目が悪い輝きを帯びている。
「ペコさんこそ珍しいですね。本気でお怒りなようで」
堺が目尻を下げて笑うと、ペコとハイタッチした。
「何でもやりますよ。……僕も同じ気持ちですから」
二人はニヤリと笑い合った。