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eyes to me~ 私を見て
第48章 鮮烈なデビュー①



 眠る綾波にも届くように精一杯、自分の全てを懸けて歌う。
 スタッフにヘアメイクを直して貰いながら、美名は鏡の中の自分を真っ直ぐに見据えていた。

「Aメロまではいつもの感じで、Bメロから例のダンスをしながらだからね?……真理、聞いてるの?」

 真理は、美名の強い眼差しに見とれていて由清の話を全く聞いていない。

「真理っ!?」
「ひっ!?」

 耳元で叫ばれて、飛び上がる。
 由清は呆れて台本で真理の頭を叩いた。

「全く!しっかりしてよ!初見の視聴者のハートをギュッと鷲掴みにするんだからね!」
「おっおま……ぶった?今、俺をぶったのか―っ?へなちょこ由清のくせにっ」
「ああ!ぶったさ!だらしない顔をしてるメンバーに渇を入れるのもリーダーの役目だからね!」
「ひいっ――怖いっ!
 何かお前怖くなったな――!そんな子に育てた覚えはないぞ――!」

 更に台本で殴りかかろうとする由清から逃げるように真理は頭を庇うように押さえた。



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