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eyes to me~ 私を見て
第49章 鮮烈なデビュー②
「違ったらごめん。後ろから見てたら……
未菜ちゃんに何か話しかけられてた様に見えたからさ……」
「……」
美名は涙を溜めた目で首を振るが、髑髏川は食い下がる。
「何か……あるなら良かったら話して?
俺達に出来ることがあるかも知れない」
優しい言葉に涙が塞き止められずに溢れる。美名は首を振り続けた。
「い……言えな……っ……」
西野の冷水を浴びさせる様な凍てついた囁きが甦る。
――『元カレにヤられたんですって?御愁傷様』――
自分には綾波がいる。真理や由清、志村だって心に寄り添ってくれている。
ポキノンの堺やペコ、桃子やマイカ、三広や亮介も。
沢山の人達に支えられているのは解っている。
いつまでもあの事に囚われてはいけないーーでも、思い通りにならない自分の心と身体が堪らなくもどかしくて疎ましかった。