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eyes to me~ 私を見て
第49章 鮮烈なデビュー②

「美名ちゃん、あなたに電話よ」
志村はにっこり笑うと、スマホを美名に渡す。
戸惑いの表情を浮かべながら、美名は耳にスマホを当てた。
「……もしもし」
『……随分とそっちは賑やかだな』
耳から入り込んで来たのは、ずっと聴きたくてたまらなかった、夢にまで見ていた、愛しい人の声だった。
危うくスマホを床に落としそうになり、美名は慌てて両手で握りしめる。
『どうした……久々に話すのに……愛の言葉も無いのか?……ん?……お姫様?』
「あ……ああ……」
嗚咽が溢れて、うまく言葉にならない。
スマホを持つ掌も、指も、当てている耳も熱さと驚きと喜びに震えていた。
そんな美名を、志村と髑髏川は優しい笑顔で見つめていた。
美名の、桜色の咲き溢れる様な唇からやっとの思いで焦がれる思いがあふれ出た。
「つ…… 剛……さん……!」

