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eyes to me~ 私を見て
第49章 鮮烈なデビュー②
『泣いてるのか……?』
「つ……よしさ……わ……たしっ」
甘く苦しい嗚咽と涙が込み上げる。沢山の言いたい事があるのにどうしても言葉にならない。胸を震わせて息をするだけで精一杯だ。
綾波の静かな息遣いが電話の向こうから感じられる。
ただそれだけで、たまらなく幸せだった。
いつの間にか、真理と由清、暗黒達も、周りで固唾を飲んで見守っている。
『いいか……美名。良く聞きなさい』
静かに、言い聞かせる様に綾波が話す。
美名は、スマホを握りしめ、涙を流しながら頷いた。
『いいか……今は、俺の言葉だけを信じろ。
……お前は、とびきりの歌姫だ……誰にもお前の真似は出来ない……
俺の言う事を、ちゃんと聞いてるな?』
「は……はいっ」
美名は力強く返事をした。