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eyes to me~ 私を見て
第49章 鮮烈なデビュー②
向こうで小さく笑うのが聞こえて、胸の中の全部が甘く疼いた。
『誰かに何を言われようと、雑音だと思え。お前はお前の音楽をやるんだ……』
「剛さん……で、でも」
『……ちゃんと最後まで聞くんだ……ん?』
「……!は、はい……」
美名は涙をグイと拭う。
『いいか、何とかしてミュージックスタイルで歌うんだ。
……ヤモリさんは話の分かる人だ……志村さんと一緒にヤモリさんに頼み込め』
「……で、でも」
あの様な失態を犯し、また演奏の枠を取ってくれなどと、虫の良い願いを聞いて貰えるとはとても思えない。
『お前の夢だろう……チャンスには死に物狂いでしがみついてかじりついてこそ、だぞ。
それに……お前の夢が、俺の夢でもあるんだからな?』
「……!」