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eyes to me~ 私を見て
第50章 歌姫降臨
「……ご無沙汰してすいませんでした」
つい神妙な顔で言ってしまう。
菊野は目を丸くすると、プッと吹き出した。
「もう……剛さんったら!嫌味のつもりで言ったんじゃないのよ?
そんな叱られた子供みたいな顔で……うふふ」
少女の様にコロコロと笑う菊野を、綾波は目を細めて見た。
こちらから連絡も取らずに、会う事もせずに十一年経っただろうか。
久し振りに見る優しい義母は、昔と殆ど変わらない。
「……近いうちに、美名を連れて顔を出すつもりで居ました」
「あら、そうだったの?美名さんはお電話でお話をしたのよ。
また改めて剛さんから紹介してね?ああ、楽しみだわ……」
本当に楽しそうに菊野は胸の前で手を組んで笑う。