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eyes to me~ 私を見て
第50章 歌姫降臨
テレビ画面にプリキーの三人がステージに立つ姿が映った瞬間、由清のパワフルなドラムが鳴った。同時に美名が、良く通る、何処から出しているのか?と思わせる、しかし決して不快で無い不思議な耳に馴染む長い長いシャウトを決めた。
一気に会場の客やスタッフ、出演者達はプリキーのステージに魂ごと引き込まれてしまう。
「キャアア――!お姉ちゃ――ん!」
「美名さ――ん!由清さ――ん!真理――!」
静岡では、慌てて風呂から出てきた桃子とマイカが、バスタオルを身体に巻いたままでテレビの前で跳び跳ねていた。
「キタ――!」
「美名ちゃ――ん」
病室でも、三広と亮介が狂喜して拳を振り上げる。
画面に美名の姿が映し出されてその声が響いた瞬間、綾波の身体中に鳥肌が立った。
(――これだ……この感覚……
俺が代々木公園で初めて美名を見付けた時に感じた……)