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eyes to me~ 私を見て
第51章 Kiss in the moonlight

「――痛てっ……」
顔を歪めて呻く綾波を支えながら、美名は泣きそうになり叫ぶ。
「剛さん……剛さんっ……どうしようっ」
女性が慌ててナースコールを捜す。
「た……大変だわっ!救急車……てここは病院よね……何を言ってるのかしら私……看護婦さん……看護婦さん呼ばなくちゃ!」
綾波の身体から力が抜けて支えきれず、美名は抱き締めたままへたり込む。
「剛さん、剛さん――!」
泣きながら叫んだ時、綾波の身体が震え始め、くつくつと笑いに変わった。
「ふふ……はは……冗談だ……」
女性はようやくナースコールを探しあて、今まさに押そうとしていた時だった。
口をポカンとして綾波を数秒見てから、叱る様に言った。
「剛さん!脅かさないでちょうだい!」
「すいません……」
綾波が笑顔で美名を立たせた。
綾波の頬にビンタが飛ぶ。

