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eyes to me~ 私を見て
第2章 歌姫は獣と出逢う
「実は、スカウトするって言われて、騙された事が何回もあるんです……」
「そうなんだねえ?大変だったね……ウチなら大丈夫だからね!」
「はい……よろしくお願いします!」
「じゃあ詳しい話をしたいから、事務所に来てくれるかな?」

 男性が美名の肩に手を置いた時、美名は腕を物凄い力で何者かに掴まれた。

「……!?」

 美名は衝撃を受けた。
 さっき見かけた鋭い目の男が腕を掴んでいるのだ。
 間近で見る男は、鋭い印象だが顔立ちは少年ぽさが残っている。
 その瞳を見た瞬間、正体不明の感情が美名の中で生まれた。
 スカウトマンの男性が喰ってかかる。

「君!いきなり何をするんだ!」
「お前こそ……この女を何にスカウトするつもりだ?知ってるぞ。『Gシネマ』の奴だろう……?」

 男の形の良い唇から放たれる声は低く甘く、美名は思わず聞き惚れそうだった。

「――!」

 スカウトマンは絶句し、青ざめる。
 美名は状況が呑み込めなくてふたりを交互に見るが、眼鏡の男を見るとやはり動悸が激しくなる。

 ――何故?




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