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eyes to me~ 私を見て
第11章 歌姫のlesson
「まあ、何でもいい……とても綺麗だ」

 身を屈めて頬にキスをされ、ボッと体が熱くなった。

「さて、そろそろ行くぞ」

 綾波はさっさと靴を履いて出て行こうとする。
 美名は頬を押さえて、慌てて追い掛けた。

 (私ばっかりドキドキしてバカみたい……)

 
 ーー三十分後、ふたりは都内某所のプライベートスタジオに居た。
 アップライトのピアノが置いてある部屋で、緊張して待っていると、綾波のスマホが鳴った。

「はい……はい。そうですか、わかりました」

 通話を切ると、綾波は溜め息を吐いた。

「志村さん、三十分位遅れるそうだ」
「そ、そうなんですか」
「全く……遅れると分かってるなら、最初から時間をずらして言って来いよなあの人は……」

 彼は時計を睨んでから、美名をチラリと見た。

「三十分あれば……一回位は抱き合えるか」
「えっ!?」
「ハハハ。冗談さ」
「も、もうっ!バカ!」


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