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eyes to me~ 私を見て
第53章 暴かれる秘密

『綾波剛と西本菊野は、義理の母子でありながら男女の関係だった』
A4の用紙にびっしりとこの言葉が繰り返し打ち出されている。
美名は目眩を覚えて、ふらふらとベッドに倒れ込んだ。
バースデーカードを握りしめたまま、天井を呆然と見上げ、落ち着こうと息を吸って、吐く。
(……こんなの、嘘よ……誰かの悪戯に決まってる……剛さんは……そんな事)
ふと、病室で目にした、綾波が菊野に向ける優しい眼差しを思い出し、全身が寒気に襲われた。
「違う……そんな事……あるわけない」
『菊野さんは……血の繋がりがないのさ』
剛の声が頭に響く。
(そうだ……剛さんは、菊野さんの事を"お母さん"とは呼ばない……
菊野さん……ていつも……
それは……菊野さんを女性として見ているから……なの?)

