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eyes to me~ 私を見て
第53章 暴かれる秘密

「そう……なんだ……」
綾波の肩越しに、床の上に散らばる写真と送られてきた箱が見えた。
思わず胸を押して綾波から離れる。
綾波の瞳が瞬きをして、暗い色に沈んだ。
「美名……」
「剛さん……嘘よね?それ……」
彼は黙っている。
沈黙は肯定の意味、と解釈した美名は、首を振る。
「な……何か言ってよ……」
綾波は、視線をさまよわせている。
こんな風な彼の態度を見るのは初めてだった。
いつも鋭く真っ直ぐに射抜かれてしまいそうな程にその瞳を向けて来るのに今は……
自分がここに居る事が現実と思えなかった。
この震える指も冷えていく身体も、まるでドラマのワンシーンかの様に感じる。
けれど、胸の中は耐え難く痛み、叫び出したいのを我慢しなければならない位……
「……て」
やっとの思いで声を出す。

