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eyes to me~ 私を見て
第54章 擦れ違う恋人たち

綾波がギョッとしてその肩に手を伸ばすが、美名の乾いた声で全身が凍る。
「……あはは……そうよね……私は……あなたの言う通りに歌っていればいいんですものね……
何も考えないで歌いますから……それで……いいんでしょ?アハハハ……」
ヒステリックに笑う美名の腕を掴み綾波は真っ直ぐに目を向けるが、美名は顔を歪めまた涙を溢した。
「嫌いになれるなら……何もかも忘れられるなら……その方がマシよ!」
「美名!」
「離して!」
綾波の腕を振りほどこうと滅茶苦茶にもがいている時、目的地のホテルの駐車場に到着した。

