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eyes to me~ 私を見て
第54章 擦れ違う恋人たち



 丁度、志村達も到着して車から降りたところだった。
 志村と真理、由清が美名達に気付いて手を振ってくる。
 美名は停車した途端に後部席のドアを開けて志村達の方へ走って行く。

「美名!」

 綾波が叫ぶが、美名は止まらなかった。

「あらあら、美名ちゃん、ヒールで走ると転ぶわよ?」
「美名ちゃんおはよ~」
「美名?そんなにこの真理様に会いたかったか――!」
「バカね!そんな訳ないでしょ!」
「いい加減に諦めろよな」
「ちぇ――っ」

 志村と由清に言われて唇を尖らせた真理は、美名の普通でない様子にいち早く気が付いた。
 美名は真理に向かって手を伸ばしている。

(これは俺の気のせいか……?いや、気のせいじゃない!)

「真理くんっ……」

 掠れた涙声が聞こえた瞬間、真理も駆け寄り、美名を抱きしめていた。



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