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eyes to me~ 私を見て
第54章 擦れ違う恋人たち

志村は綾波の胸を軽く叩いた。
「んも――!それは分かるわよ!何かあった事は!
……ようやく綾波君が退院して、二人これから幸せに、て時に行き違いって……
まさか、これからのプリキーの活動に綾波くんが難色を示したとか……
じゃあないわよねぇ、第一あなたがスカウトしたんだしねえ……」
志村が頬杖を付いて綾波の目の中を探るように見るが、暗い色が沈むのがわかるだけで心の中までは窺えない。
綾波はらしかぬ弱気な笑顔を溢し、頭を下げる。
「申し訳ありません……大切な日に美名の精神を不安定にさせてしまいました……」
「も――止めてよ!綾波くんがそんな顔をするなんて、嵐が来ちゃうわ!」

