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eyes to me~ 私を見て
第56章 さよなら、私の



「美名――っ!俺が手伝ってや……ふごぉ――っ」

 リビングから真理の声と、恐らく志村と由清に殴られた鈍い音が聞こえた。美名はバスルームの鍵をキッチリと閉める。
 パジャマを脱ぎ、シャワーの栓を捻り熱いお湯を頭から浴びていると眠りと夢の余韻から次第に身も心も抜け出していく。
 昨夜は沢山泣いてしまったけれど、悲しみはもう心に残っていなかった。
 霞がかっていた景色が一気に晴れる様に、すっきりとした感じがする。
 菊野と話したおかげだ。
 開けてはならないパンドラの箱を自ら開けてしまう事で壮絶な修羅場が自分と菊野の間に繰り広げられる可能性もあったのだが、そうならなくて良かった。


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