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eyes to me~ 私を見て
第56章 さよなら、私の

本当なら、今日は西野との仕事という事で気が重くて仮病を装いたい位だった筈なのに、美名は妙に高揚していた。
寝不足が作用して、何か特別なアドレナリンでも出ているのだろうか。
恐らく、自分の中で綾波の過去に対する気持ちに区切りが付いたからだろう。
(そうだ、今日、仕事が終わったら剛さんに電話をしてみよう……勇気を出して……今の気持ちをぶつけてみる!――よし!頑張る――!)
無性に歌いたい気分になり、適当にその場で浮かんだメロディーを鼻唄にしてスカートの裾を摘まみクルクル回りながら鍵を開けて軽やかな足取りでリビングに行くと、真理が由清に押さえつけられ、志村に恒例の擽り攻撃を受けて絶叫していた。

