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eyes to me~ 私を見て
第56章 さよなら、私の
彼女の電話の声に甘さが混じる。

「あ、あの……増本さん……私」

増本は、時折向ける憧れと恋情の混じる眼差しに気が付いていた。
何度その小さな身体を抱き締めたくなった事か。
だが、当時彼女はほんの小娘だった。
純粋さ故に恋愛に溺れて全てのエネルギーがそれだけに注がれてしまったら、せっかくの恵まれた才能が花開く前にしぼんでしまう。

「ハハハ!そんなに意気込まなくても、いつも通りにしていれば大丈夫!
じゃあ、三日後、迎えに行くからね?」

彼女の言葉を遮るように殊更明るく言い電話を切った。
そして、三日後。
社長室のドアを目の前にして、未菜は緊張の面持ちで増本の袖を掴み立ち尽くしていた。



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