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eyes to me~ 私を見て
第56章 さよなら、私の

どのくらい経っただろうか。
やがて未菜の声が止み、不気味な静寂が訪れた。
増本が顔を上げた時、ドアが静かに開いた。
ネクタイを締めながら社長が秘書を伴い出てくる。
社長の頬は僅かに上気し、口元はだらしなく歪んでいた。
シワだらけのその指で彼女に触れ、穢らわしい唇で彼女の身体を汚したのかと思うと強烈な殺意が湧く。
社長は咳払いをすると、秘書に一言何か耳打ちをして悠々とした足取りで行ってしまった。
握り締めた拳をあの男に振り下ろせなかった自分に心底嫌気が差した。
「俺のせいだ……こんな事になったのは俺の……」
座り込んだまま虚ろな目で呟く増本に、秘書は身を屈めて言った。
「……社長は、彼女をとてもお気に召されたようです……
事務所の総力を上げて西野未菜を歌姫に仕立て上げるとおっしゃっています」
やがて未菜の声が止み、不気味な静寂が訪れた。
増本が顔を上げた時、ドアが静かに開いた。
ネクタイを締めながら社長が秘書を伴い出てくる。
社長の頬は僅かに上気し、口元はだらしなく歪んでいた。
シワだらけのその指で彼女に触れ、穢らわしい唇で彼女の身体を汚したのかと思うと強烈な殺意が湧く。
社長は咳払いをすると、秘書に一言何か耳打ちをして悠々とした足取りで行ってしまった。
握り締めた拳をあの男に振り下ろせなかった自分に心底嫌気が差した。
「俺のせいだ……こんな事になったのは俺の……」
座り込んだまま虚ろな目で呟く増本に、秘書は身を屈めて言った。
「……社長は、彼女をとてもお気に召されたようです……
事務所の総力を上げて西野未菜を歌姫に仕立て上げるとおっしゃっています」

