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第56章 さよなら、私の

西野未菜は、灰吹美名に大きなコンプレックスを抱いている。
それぞれファン層もジャンルも違うのだから、ピリピリする必要はないのに。
美名が周りから愛されているのが癪に障って仕方がないらしい。
女特有のアンテナに引っ掛かるところがあるのだろうか。
灰吹美名は未菜と同様、マネージャーに見出だされてデビューした。
が、二人には大きな違いがある。
美名はマネージャーの綾波と堂々と愛し合っている。未菜は自分の想いを圧し殺してキャリアの為に社長の愛人に収まっている。
逆恨みと言われればそれまでだ。が、とにかく美名を蹴落としたいという思いで一杯になっている。