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eyes to me~ 私を見て
第57章 さよなら、私の②

「はあ……んな事を言ったって仕方がないよな……掃除~掃除!」
掃除機のスイッチを入れて慎重に部屋の中を進む。
「寝室にグランドピアノなんて、キザでイヤミな奴だ!」
やはり毒づきながら作業をしていたが、向きを変えた時に後ろの書棚に背中が当たり、何かがバサリと落ちてきた。
「っと……いかん、いかん。回りをよく見て動かんとな……ん?何だこりゃ」
落ちた茶封筒から何十枚の紙が散らばった。拾い上げ、その中身を見るうちに真理の顔が強張っていく。
驚きと怒りに紙を掴む手が震え、真理はキッチンに向かって声をあげた。
「美名、美名――!」

