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eyes to me~ 私を見て
第57章 さよなら、私の②

美名は長い髪を軽く二つに結わえ、鍋で何かを煮込みながらお玉で掻き回していた。
「もうすぐ出来るから……食べて行ってね?
実はこのシチュー、初挑戦なの……
剛さんが帰ってきたら食べさせてあげたいなあ~って……うふふ」
「美名!お前……これ!」
美名に、寝室にあった紙の束を突き出す。
美名は一瞬目を見開きいた。溜め息を吐いて火を止めて真理から紙の束を受け取る。
「見付けちゃったんだね……」
真理が持ってきたのは、毎日の様に送られて来ていた例の怪文書だった。
「……いつからこんな事になってたんだよ」
真理の声が怒っている。
「真理くん……」
美名が見上げると、真理は乱暴に手首を掴んで怒鳴った。
「何故俺に言わない!」

