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eyes to me~ 私を見て
第57章 さよなら、私の②

その力の強さに、美名は一瞬顔をしかめた。
それから少し目を潤ませ、小さく言った。
「……ごめんなさい……」
真理は美名の手首を掴んだままで激昂する。
「これ……何だ、これに書いてある事……まさかマジなんか?綾波が……その」
美名は一瞬躊躇う様に目を臥せた。
真理に肩を揺すぶられ、小さく頷く。
「――っ」
真理の目が大きく開かれて、やがて虚ろな光が帯びた。
そして唇を噛み締めて低く呻く。
「そうか……あいつとギクシャクしてたのは……こういう事かよ……」
美名は、真理の顔を覗き込み、努めて明るい声を出した。
「う、うん……そうなんだけどね?……色々あって……もう、私は大丈夫だから」
「……大丈夫って」
真理は美名の手を引っ張り、リビングへ連れていく。

