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eyes to me~ 私を見て
第57章 さよなら、私の②

「――――!」
真理は声にならない叫びを上げて手で股間を押さえて転げた。その隙に美名はソファから起き上がる。胸元をかき集めキッチンに逃げて咄嗟にお玉を持ち武器の様に構えた。
「……って……お……俺……しばらく立てね……っ」
真理は情けない声を上げて苦悶する。
美名は心配になって恐る恐る側へ寄った。
「ま……真理くん……大丈夫?」
うずくまっていた真理は呻きながら手を伸ばして来た。
思わずその手を掴むと、一瞬にして引き寄せられて真理の腕の中へすっぽりと包まれてしまう。
「……隙……あり……」
真理は痛みに眉を寄せながら、僅かに口角を上げて笑った。
「ひ、酷い!もうっ」
美名は怒って持っていたお玉で真理の頭を殴った。
「ぎぇっ」
真理が声を上げるが、腕は美名を離そうとしない。

