この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第57章 さよなら、私の②

「う……だってよ~俺だって……女の前で泣くなんて……初めてだぞ!……うぐっ……ひっ」
「ウッソだ――!お母さんの前で泣いた事あるでしょ?」
美名は真理の洟を丁寧に拭う。
「ばっ……オカンは別だろ――がっ」
「ほら、綺麗になった!」
美名は真理をじっと見ると、大きな手を自分の掌で包み込んだ。
「……私、真理くんにたくさん助けられてた……一度綾波さんと別れた時も……
綾波さんが意識が無くて……助かるかどうか分からなかった時にも……
真理くんがいつも側に居て……私を笑わせて……元気にしてくれて……」
真理は、胸が熱くなり、また涙を溢しそうになる。口を結びぐっと堪えたが、まるで怒った様な顔になっていた。
「ん!……そうだな!俺様の優しさが今わかったか?」
「うん……」
美名の優しい眼差しを直視出来ず、顔を逸らした。

