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eyes to me~ 私を見て
第57章 さよなら、私の②

「――どうしたんだよ、美名?」
「何故……何故……あああっ……!」
取り乱して叫び出した美名を、入ってきた真理が抱き締めた。
「美名!」
「ま……真理くん……真理くん……どうしよう……どうしよう私……」
「落ち着け!何があったんだよ!」
真理は、震える美名をベッドに座らせた。落ち着かせる様に背中をそっと撫でながら話を聞くと、眉間に皺を寄せる。
「……剛さん……私を嫌いになった……のかも知れな……」
涙を溢す美名に、真理はわざととぼけた調子で言う。
「――奴に嫌われたら、俺が嫁にもらってやるぞ?」
「もうっ……バカッ!」
キッと睨むと、真理は指で美名の鼻を摘まんだ。
「ほら、その元気を忘れるなよ!……お前、綾波を諦めるのか?こんな事で?
エライ過去が発覚しても奴を好きだってあんなに強く言ってたのに、諦めるのか?」
「む、むむむ!」
鼻を摘ままれたまま、美名は必死に首を振った。

