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eyes to me~ 私を見て
第60章 歌姫の覚悟

竹下通りを歩く人々が色めき立ち写真を撮っている。
綾波は構わずに美名を強く抱き締めていた。
「は、はまじろう……い、痛いよ」
美名が腕の中で小さく呻く。綾波は、我に返り離した。
彼の身体と心はまた甘く疼き、鎮めるのにひと苦労するだろう。
「おい美名――俺はダメでその変な着ぐるみ野郎はいいのかよ――っ」
「だって!真理くん、時々触り方がエッチなんだもん――!」
「真理……最低だな」
「おっおっ……由清い――っ何だよその蔑みの眼差しは!俺ら、仲間だろっ?
男同士、純情を分かち合おうぜ――っ」
「分かち合いたくない!」
「つめてえなお前――!」
言い合いを始めた真理と由清をよそに、美名は目的の店を見付けて目を輝かせ、はまじろうの腕を引っ張った。
「あれじゃない?キャンディーマーケット!……スゴく可愛いお店!」

