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eyes to me~ 私を見て
第60章 歌姫の覚悟

店に入った途端、甘い薫りで満たされ、パステルの色合いの内装や菓子が賑やかに客を迎える。
まるで食べ物ではない様に見える細工の施されたキャンディーや、カラフルなアイスボックスクッキーに棒キャンディーなど。ところ狭しと並べられている。一同は溜め息を吐いた。
「んまあ――なんてカワイイ!」
志村が手に取ったのはクマの顔のキャンディーだった。
パンダやキリン、鹿に象にアヒル、動物園みたいだ。
美名はウサギの形のクッキーに目をとめる。
「わあ……この子、バニっぴーみたい……
バニっぴーってね、剛さんがプレゼントしてくれたお人形なの……
大切な宝物なんだ……えへ」
美名は、はまじろうの手を取ったまま、目を潤ませた。
綾波の胸が密かに震える。

