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eyes to me~ 私を見て
第60章 歌姫の覚悟

先に仕掛けたのははまじろうだった。
着ぐるみの丸い腕が鋭く空を切り、真理の顔を狙う。
「――っと!」
真理は間一髪でかわしてカウンターパンチを繰り出した。はまじろうは素早く腰を落として避けながら真理の腹に拳を突き出す。
真理は辛くもそのパンチをかわし、バランスを崩しながら足を振り上げた。
はまじろうは華麗なジャンプで避けて、見事な着地を決める。
「おお――っ」
「真理くん、カッコいい~」
「はまじろう……パねぇ!つええよ――!」
ギャラリーが感嘆の溜め息と歓声を送る。
やはり堺は写真を撮りまくっていた。

