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eyes to me~ 私を見て
第63章 片恋の終わり
 美名が涙を溜めた目を見開くと、真理は苦笑して指で鼻を軽く摘まんだ。

「むむっ」

「スキあり!」

 真理はおどけて美名から離れて肩を竦めた。

 その様子が、いつもの朗らかな事に美名はホッとして、指で涙を拭う。

「も……もうっ!驚かさないで!真理君のバカっ」

「バカはお前だろ……他の男につけこむ隙を与えるんじゃないぜ?」

「……」

 真理の目に、少しの哀しさが浮かんでいる。

「俺も……いい加減にお前を諦めないと……な」

「……え」

 真理はテントから外へ顔を出し大きく叫んだ。

「お――い!誰か女子の応援団!美名の着替えを手伝ってくれ!」

「……」

「こんな時の為の応援団だぜ?バンバン使ってやれよ」

「真理くん……」

 真理は一瞬下を向いたが、ニカッと笑った。

「着替えたら、美名も見にこいよ!」

「お待たせしました――!」

 ピンクのタスキの女子スタッフがやって来て、入れ替わりに真理が出ていった。

「ああ、これは一人じゃ無理ですねぇ」

 スタッフが背中の羽根を外している時、美名は真理に心のなかで詫びていた。

(真理君……ごめん……ごめんね……

 そして……ありがとう……)

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