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第63章 片恋の終わり

　由清は、ぶっ倒れた真理を一瞥し、スタッフに声を掛けた。

｢君、ちょっとごめん……｣

｢はいっ？｣

　若い女性スタッフは、由清に呼び止められるとみるみる内に頬を染めて目をハートにする。

　由清は真理の上半身を起こし、頬を叩くが反応がない……

　笑いながら眠っている。

｢悪いけど、人を呼んで貰えるかな？コイツ、デカイから俺一人じゃ運ぶのは無理だし｣

　スタッフは、ブンブンと頷いて上擦る声で返事をする。

｢は、はいっはいっ！只今、屈強な男性警備隊を連れて参ります―――！｣

｢ありがとう……｣

　優しげな王子スマイルにスタッフは胸を撃ち抜かれ、グフグフ幸せそうに笑いながら走って人を呼びに行った。