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eyes to me~ 私を見て
第63章 片恋の終わり

桃子は、目を見開き小さく言う。
「アンソニーも忙しいのに……ごめんね。無理に連れ出して……」
由清は、まるで初恋を知った少年の様に胸をときめかせていた。
(桃子が、俺の手を取って二人きりになる場所にわざわざ来たのは……
何故だ?)
「リハの時間て限られてるよね……早く終わらせるから許して?」
桃子は舌をチョロリと唇から出して笑った。
由清はその桜色の唇から目を逸らし、疚しい考えを押し込めようとする。
(何を考えてるんだ俺は……桃子に、そんなつもりがある訳がない……)
固く握り締めていた由清の拳を、桃子の小さな柔らかな手がフワリと包み込む。いとも簡単に由清の掌が開かれた。
桃子が小さな編みぐるみのチャームをその中へと握らせる。
白いタキシードを着た由清に似せて作った人形だった。
「アンソニーに、あげる」
噛み締めるような照れ笑いの桃子が上目遣いで由清を見つめた。
「アンソニーも忙しいのに……ごめんね。無理に連れ出して……」
由清は、まるで初恋を知った少年の様に胸をときめかせていた。
(桃子が、俺の手を取って二人きりになる場所にわざわざ来たのは……
何故だ?)
「リハの時間て限られてるよね……早く終わらせるから許して?」
桃子は舌をチョロリと唇から出して笑った。
由清はその桜色の唇から目を逸らし、疚しい考えを押し込めようとする。
(何を考えてるんだ俺は……桃子に、そんなつもりがある訳がない……)
固く握り締めていた由清の拳を、桃子の小さな柔らかな手がフワリと包み込む。いとも簡単に由清の掌が開かれた。
桃子が小さな編みぐるみのチャームをその中へと握らせる。
白いタキシードを着た由清に似せて作った人形だった。
「アンソニーに、あげる」
噛み締めるような照れ笑いの桃子が上目遣いで由清を見つめた。

