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eyes to me~ 私を見て
第64章 獣と獣の対決

増本は柔和な笑みを作り、綾波に座る様に再び促す。
綾波は増本の目を真っ直ぐ見据えながらソファに腰掛けた。
増本も同じ動作でゆったりと腰を沈める。
「……で……今日は、どうされましたか?確か、日比谷でイベントなのでは……」
「ええ……」
綾波は、腕の時計に目を落とす。もう少しで、午後の一時になる。
美名は、リハーサルの真っ最中だろうか。
俺が来るのを、広い会場を見渡しながら待っているのだろうか。
美名の美しい姿は人々の心を奪い、花弁の様な唇から産み出される歌声は、聴衆やスタッフを虜にし、癒すだろう。
彼女は、今日、歌姫としての新しいスタートを切る。
俺の、とびきりの歌姫が花開く日だ――
瞼を閉じれば、銀のテープが舞う中、喝采を浴びて輝くステージの美名が見える気がした。
すると、テーブルに節くれだった増本の指が紅茶を差し出してくるのが視界に入り、現実に引き戻される。
綾波は増本の目を真っ直ぐ見据えながらソファに腰掛けた。
増本も同じ動作でゆったりと腰を沈める。
「……で……今日は、どうされましたか?確か、日比谷でイベントなのでは……」
「ええ……」
綾波は、腕の時計に目を落とす。もう少しで、午後の一時になる。
美名は、リハーサルの真っ最中だろうか。
俺が来るのを、広い会場を見渡しながら待っているのだろうか。
美名の美しい姿は人々の心を奪い、花弁の様な唇から産み出される歌声は、聴衆やスタッフを虜にし、癒すだろう。
彼女は、今日、歌姫としての新しいスタートを切る。
俺の、とびきりの歌姫が花開く日だ――
瞼を閉じれば、銀のテープが舞う中、喝采を浴びて輝くステージの美名が見える気がした。
すると、テーブルに節くれだった増本の指が紅茶を差し出してくるのが視界に入り、現実に引き戻される。

