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eyes to me~ 私を見て
第64章 獣と獣の対決
「大丈夫ですか?」

 守衛が、西野を支えた。

 西野はこめかみを押さえ、頭を振り笑顔を作る。

「大丈夫です、ありがとう」

 守衛が安心した様に笑顔を返し、一礼し玄関口に再び立った。

 西野もお辞儀をする。胸の中に、鈍い痛みが居座っていた。

(大丈夫?大丈夫なもんか。

 私……社長に抱かれる事を、もう何とも思わなくなっている。 

 呼吸をする事が当たり前の様に、社長と身体をぶつけ合う行為を……

 嫌悪も何も感じない。だって、必要な事だから。

“西野未菜"でいるために……)

 思わず、溜め息を吐いた。その時、会社のロビーのテレビから"恋するcherry soda"が流れてくる。思わず顔を上げた。

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