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eyes to me~ 私を見て
第64章 獣と獣の対決

西野は歪んだ笑顔を浮かべ、低く呟く。
「そうね……大騒ぎになっちゃったし……もう、どうでも良いわ」
「未菜――!諦めるな!君は……芸能界に君臨する輝く女王なんだ……
何か……何か方法がきっとあるから……だから……っ」
増本が絶叫する中で、綾波は、どうしたものかと冷静にこの場を見ていた。
――まさか、西野がここまで病んでいるとは。
社長の愛人になるのと引き換えに、清らかな歌姫を演じていた彼女。その仮面の下では想像を絶する葛藤と狂気が渦巻いて居たのかも知れない。
が西野のしてきた事は誉められた所業ではない。
気に入らない人間を、汚いやり方で蹴落として自分のプライドを守る、という事を永遠に続ける訳にもいかないだろう。
恐らく、西野もそれを分かっているのかも知れない――
(しかし……色んな意味で危険な状況だな……どうしたものか……)
綾波の冷静に見えるその瞳は、西野の動きを一ミリでも見逃すまいとしていた。
「そうね……大騒ぎになっちゃったし……もう、どうでも良いわ」
「未菜――!諦めるな!君は……芸能界に君臨する輝く女王なんだ……
何か……何か方法がきっとあるから……だから……っ」
増本が絶叫する中で、綾波は、どうしたものかと冷静にこの場を見ていた。
――まさか、西野がここまで病んでいるとは。
社長の愛人になるのと引き換えに、清らかな歌姫を演じていた彼女。その仮面の下では想像を絶する葛藤と狂気が渦巻いて居たのかも知れない。
が西野のしてきた事は誉められた所業ではない。
気に入らない人間を、汚いやり方で蹴落として自分のプライドを守る、という事を永遠に続ける訳にもいかないだろう。
恐らく、西野もそれを分かっているのかも知れない――
(しかし……色んな意味で危険な状況だな……どうしたものか……)
綾波の冷静に見えるその瞳は、西野の動きを一ミリでも見逃すまいとしていた。

