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eyes to me~ 私を見て
第64章 獣と獣の対決

「――?」
美名はギターを爪弾く指を止めた。
綾波に呼ばれたような気がしたのだ。
目の前の景色は、ピンクのはまじろう達や、タスキの応援団が動き回り働く姿や、まるで真夏の様な入道雲が広がる真っ蒼な空。
クレッシェンドやボンバーメンバーも、ボランティアに弁当やら飲み物を分けるのを手伝ったり、テントの補強をしたり忙しくしている。
いつの間にか何処かへ姿を消していた由清も戻って来て、真剣な顔でドラムを叩き始めた。
美名は目を閉じて息を吸い込む。
(今日のライヴを作り上げる為に、沢山の人の心と努力が集結している……
何て、素敵な事だろう。
他ならぬ、私の……いいえ、プリキーのライヴの為にこれだけの人達が……)
上京してから今日までの事を思い出す。
オーディションを受けては落ち、また落ちて……
バイトに明け暮れながら、時々路上で歌い……
いい事が全く無かった訳ではないけれど、いつも胸の中にあった、苦い悔しさ。
いつか、いつか……大きなステージに上がるんだ、と歯を食い縛っていた日々。
(――とうとう、ここまで来れた。
剛さん……今、ここに、貴方が居てくれたら……)
美名はギターを爪弾く指を止めた。
綾波に呼ばれたような気がしたのだ。
目の前の景色は、ピンクのはまじろう達や、タスキの応援団が動き回り働く姿や、まるで真夏の様な入道雲が広がる真っ蒼な空。
クレッシェンドやボンバーメンバーも、ボランティアに弁当やら飲み物を分けるのを手伝ったり、テントの補強をしたり忙しくしている。
いつの間にか何処かへ姿を消していた由清も戻って来て、真剣な顔でドラムを叩き始めた。
美名は目を閉じて息を吸い込む。
(今日のライヴを作り上げる為に、沢山の人の心と努力が集結している……
何て、素敵な事だろう。
他ならぬ、私の……いいえ、プリキーのライヴの為にこれだけの人達が……)
上京してから今日までの事を思い出す。
オーディションを受けては落ち、また落ちて……
バイトに明け暮れながら、時々路上で歌い……
いい事が全く無かった訳ではないけれど、いつも胸の中にあった、苦い悔しさ。
いつか、いつか……大きなステージに上がるんだ、と歯を食い縛っていた日々。
(――とうとう、ここまで来れた。
剛さん……今、ここに、貴方が居てくれたら……)

