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eyes to me~ 私を見て
第65章 castle in the air

応接室で、西野がソファに座り脚を組み、血に染まった指でスマホを持ち、誰かと話をしていた。
あの後、西野はガラスの破片を自分の首筋に当て、増本と綾波に
『私の言う通りにしないと、ここで死んでやるから!』と脅した。
増本は半泣きになり、
『頼むから止めてくれ未菜!』と喚いた。
綾波は、内心どうでもいい、と思っていた。
デビューの経緯については同情しないでもないが、それにより自分がどれだけ大きな物を得たのか西野はわかっているのだろうか。
実力があっても運に恵まれず、この世界から去るしかなかった者達を、綾波は数多く見てきた。
西野は、社長の寵愛を一身に受けて、好き放題にやってきたのだ。
数々の気に入らない新人を潰し、美名に嫌がらせをしてきた。そこまでした人間が何を言った処で、情状酌量の余地はない。
だが、もし西野に何かあれば、お人好しの美名はまた心を痛めるのだろう。
美名は、あれだけの事をされても尚、ミュージシャンとしての憧れを西野に抱いている。
あの後、西野はガラスの破片を自分の首筋に当て、増本と綾波に
『私の言う通りにしないと、ここで死んでやるから!』と脅した。
増本は半泣きになり、
『頼むから止めてくれ未菜!』と喚いた。
綾波は、内心どうでもいい、と思っていた。
デビューの経緯については同情しないでもないが、それにより自分がどれだけ大きな物を得たのか西野はわかっているのだろうか。
実力があっても運に恵まれず、この世界から去るしかなかった者達を、綾波は数多く見てきた。
西野は、社長の寵愛を一身に受けて、好き放題にやってきたのだ。
数々の気に入らない新人を潰し、美名に嫌がらせをしてきた。そこまでした人間が何を言った処で、情状酌量の余地はない。
だが、もし西野に何かあれば、お人好しの美名はまた心を痛めるのだろう。
美名は、あれだけの事をされても尚、ミュージシャンとしての憧れを西野に抱いている。

