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eyes to me~ 私を見て
第65章 castle in the air

西野に指示されて、増本は綾波の手を後ろ手に縛った。
増本は彼女に近付く事が許されず、遠く離れた部屋の窓際に立たされている。綾波は、西野の前の床に座らされ、電話する彼女の様子を見ていた。
どうやら西野の方が分が悪いらしく、顔を歪めて歯軋りをしている。
「――もう、いい……!あんたがその気なら私だって……!」
西野は、ヒステリックに怒鳴り付けた。
白いスマホカバーが紅く染まっている。西野の手からはまだ血が流れ続けているが、興奮しているのか、痛みを感じていないようだ。
「……社長か?相手は」
綾波の問いに、西野はギロリ、と睨み付ける。
「もう、私の社長じゃないわ……今日だって、大きなプロジェクトがどうのこうの、て言って出掛けたけど……どうせ、もっと若い女を見付けたんでしょうよ……私より、若くて素直な、思い通りになる女を……商品をね」
吐き捨てるように言う彼女は、世間に向けられている柔らかい妖精のイメージとは程遠い。
増本は彼女に近付く事が許されず、遠く離れた部屋の窓際に立たされている。綾波は、西野の前の床に座らされ、電話する彼女の様子を見ていた。
どうやら西野の方が分が悪いらしく、顔を歪めて歯軋りをしている。
「――もう、いい……!あんたがその気なら私だって……!」
西野は、ヒステリックに怒鳴り付けた。
白いスマホカバーが紅く染まっている。西野の手からはまだ血が流れ続けているが、興奮しているのか、痛みを感じていないようだ。
「……社長か?相手は」
綾波の問いに、西野はギロリ、と睨み付ける。
「もう、私の社長じゃないわ……今日だって、大きなプロジェクトがどうのこうの、て言って出掛けたけど……どうせ、もっと若い女を見付けたんでしょうよ……私より、若くて素直な、思い通りになる女を……商品をね」
吐き捨てるように言う彼女は、世間に向けられている柔らかい妖精のイメージとは程遠い。

