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eyes to me~ 私を見て
第65章 castle in the air
「未菜っ……」

「あんたは黙ってて」

 増本が思い詰めた声で呼び掛けるが、未菜は拒絶した。

 未菜は紅くなった指でスマホの画面を滑らかになぞり、突然何かを読み始める。

「私の大切な……いいえ、貴方を言い表す言葉などこの世にありはしない。

今分かるただひとつの事は、私が貴方を、何があっても愛している、という事……」

 未菜は、綾波の目を見ながら薄く笑うと、首を傾げながら画面を眺め、また続けた。

「――私は、プリキーは、大きなライヴをします。

 応援してくれたファンの皆様、友達や家族、デビューしてから仲良くしてくれたミュージシャンの仲間に先輩達。皆に、見て欲しい。

 ……そして、貴方に、誰よりも見て欲しい。

 貴方が見に来てくれるのを、待っています。

 もし、貴方が来なかったら……

 私はもう待つのを止めます。

 私の方から、貴方を捕まえに行くから……

 その時は、私を受け止めて、力一杯抱き締めて下さい」

 未菜は、身を屈め、綾波と額が触れ合いそうな程に顔を近付けた。

「これ、美名がアンタに宛てて書いたメッセよね?

 ふん、純愛ぶっちゃって……ヘドが出そうだわ」

「美名は、そういう女だ……幾つ恋をしても、傷付いても、いつまでも純粋なままなのさ」

 綾波は、西野の目を真っ直ぐに捉えて悠然と言った。

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